海の向こうに住むおやじたちに、
ようやく孫の顔を見せに行く事ができた。
行こう行こうとは思っていたものの休みがとれず、
息子はもう三歳になってしまった。
「おうおう、よく来たな」
ずいぶんとやせたおやじが笑顔を見せて、
「見ない間にこんなにでかくなったのか」
初孫を高く持ち上げた。
普段は人見知りをする息子も親族だとわかるのか、
楽しそうに手足をばたつかせる。
「ああ、おまえの小さいころにそっくりだ」
高く支えたまま笑っていたおやじだったが、
ふとさびしげな顔になり、
「しかし……月日の流れるのは早いもんだな」
そっと息子を下に降ろした。
そして薄い笑いをなげかけて、
「できればうちらが生きてる間にひまごの顔を見せてくれよ」
しわの手で頭をなでる。
悲しい顔をした息子は――ズボンを下ろし、パンツをおろした。