0180
2004-02-19
ア・フュー・グッドメン
アメリカ海軍の基地で、海兵隊の一人が殺されました。
犯人は男Aと男B。
検察は二人を殺人罪で起訴しますが、
これは規律を乱す者への暴力的制裁の意味を持つ、
コードレッドという軍独特のリンチによる殺人のようだと
軍の内部調査班が調査に乗り出します。
その調査に選ばれたのが主役です。

主役はすごい弁護士だった父の名誉を汚さないように、
そして比べられないようにと、事件はまともに裁判をせず、
検察側との事前取引で終わらせるのが常でした。

そんな主役が調査していくと、
本当にリンチ指令が出ていたのがわかりました。
けれど、男Aと男Bは実行犯で、命令したのは
その上官にあたる中尉でした。
でも本当はさらに上、最高指揮官の大佐が
指示を出していたのです。
それをとめようとした中佐の反対は無視されました。

命令がでた原因は、殺された男が訓練に堪えかね、
『かつての男Bによる不法発砲事件』
の情報提供と引き換えに、
基地からの転籍を申し出ていたことです。

実行犯の男は命令に従っただけで
殺意は無かったのだと言います。
その一方で、指示を出したお偉いは
命令などしていないと逃げようとします。
主役はそれを聞いて被告を無罪として争うことを決意します。
裁判開始です。

裁判の途中で、リンチに反対した中佐が
証言してくれそうになりますが、
結局自殺してしまうなどの事件もおこりました。
心苦しく思いながらも主役は最高指揮官の大佐を
証言台に立たせます。

そこで口八丁手八丁で命令を出したことをしゃべらせます。
そのため被告たちは無罪を勝ち取るのですが、
軍にそむいたとのことで除隊させられてしまいました。

でも最後に犯人の男Bは言います。
自分が守るべきだったのは、軍の規律ではなくて、
弱者である殺された男だった、と。
そして二人はお互いに尊敬をこめて敬礼をするのでした。


……というようなお話です。

話はまじめに進み、しなびていた主役が
志を高く持ち始めるところはよかったですし、
集団は単なる個人の集まりではなく、
集団としての形をとるというような
うさんくささなどもうまく描かれていたように思います。

勝った者が勝っただけでは終われない、
すこしやりきれない終わりですが、それもまた現実的です。

主役の人もかっこよかったし、
内容もよく考えられている気がしました。

これは、いい映画でした。