とある研究室において、
先ほど行なわれたエンジンのテスト結果について
検討会が行なわれていた。
「あまりかんばしくないですね」
研究者の一人が言う。
「全ガソリンのうち、
およそ56%しかエンジンに行きませんでした。
これは前回より3ポイント減で過去最低です」
「それはけしからん」
老いた一人が言った。
「エンジンに行くのはガソリンの義務だというのに」
次々に口を開く老人たち。
「近頃のガソリンはどうなっているかわからんな」
「いっそ行かないガソリンには罰を与えなければだめかもしれん」
「ちょ、ちょっとまってください」
若い研究者が口をはさむ。
「それは本当にガソリンの問題なのですか?
エンジンに問題があって、
ガソリンが行きづらくなっているということはないのですか?」
「ないな」
「あるわけないじゃないか」
にべもなく返される言葉に、彼はうつむき、一人ごちた。
「どうせ動いたって何の役にも立たないエンジンだ。
ガソリンがどれだけ行こうと変わらないじゃないか」