0029
2005-09-27
選挙制度
 とある研究室において、
先ほど行なわれたエンジンのテスト結果について
検討会が行なわれていた。

「あまりかんばしくないですね」
 研究者の一人が言う。
「全ガソリンのうち、
およそ56%しかエンジンに行きませんでした。
これは前回より3ポイント減で過去最低です」

「それはけしからん」
 老いた一人が言った。
「エンジンに行くのはガソリンの義務だというのに」
 次々に口を開く老人たち。
「近頃のガソリンはどうなっているかわからんな」
「いっそ行かないガソリンには罰を与えなければだめかもしれん」

「ちょ、ちょっとまってください」
 若い研究者が口をはさむ。
「それは本当にガソリンの問題なのですか? 
エンジンに問題があって、
ガソリンが行きづらくなっているということはないのですか?」
「ないな」
「あるわけないじゃないか」
 にべもなく返される言葉に、彼はうつむき、一人ごちた。
「どうせ動いたって何の役にも立たないエンジンだ。
ガソリンがどれだけ行こうと変わらないじゃないか」