四年に一度のバーゲンが開催され、
人々は大賑わいだった。
　集まったのは厳選された主婦、主夫たち。
数量は少ないが、普段手に入れられないものを
得られる機会だとあって大勢が押し寄せた。

　あるものは薬によりだれより早く走って
品物レジへ運び、あるものは力任せに
他人の手から品物を奪って自分で購入した。

　すさまじい争いの後、
無事商品を手にした者にレポーターが訊ねる。
「現在のお気持ちは？」
　彼女は息も荒く答えた。
「ただこの日、これを手に入れるためだけに、
毎日トレーニングしてきました。
みんなたくさん応援してくれたし、
どうしても取らなきゃいけないと思っていたので……
買えなかったら、死ぬつもりでした」