0084
2006-01-30
ひまつぶし
大学を自主早退して友人と街をぶらぶら。
勉強はつまらないが、かといって
この時間にするなにかも見つからない。
と、ふと目に入った一軒の櫃まぶし屋。
「なあ、ここすげえまずいらしいぜ」
微妙に古ぼけ、かすれた文字の看板を出すそこを指すと、
「ふーん。よし、じゃあ入ってみるか」
友人が足を止めた。
「なんでわざわざまずいところに入るんだよ」
訊ねると、やつはしたり顔でこたえる。
「なあに、ほんのひつまぶしさ」