0103
2006-02-02
熊は死して皮を残す
 ある晴れた日の午後、わたしは外回りの合間に
ベンチで缶コーヒーを飲んでいた。

「これくださーい」
「ありがとうございます〜」
 ちいさなこどもたちの声。お店屋さんは大繁盛だ。
「お金預けてくださーい」
 銀行らしい一人が言うと、
「やだ!」
 みんなが口をそろえた。
「なんで〜?」
「だってお金預けてもちっとも増えないのに、
すぐ倒産して負債ばっかり残すんだもん」