「うわ〜、怖いくらいきれい……」
闇の中に白い息を散らして、寝そべったまま彼女は言った。
「そうだろ?」
彼女の横、一緒に空を見上げて彼が言った。
「こんな一杯あるんだもん、
絶対どこかの星にこうしてわたしたちみたいに
空を見上げてる二人がいるよね」
「いるかよ」
彼が言った。
「なーんでよう。この星でだって
新種の生き物がいまだに見つかるくらいなんだし、
どこかの星に知的生命体くらいいるよ」
「そんなもん今まで一例だって見つかった報告はねえよ。
いるっていうなら証拠見せろバカ」
ぷう、と彼女は頬をふくらませる。
「そっちこそいないって言い切るなら、
全部の星を一個ずつ端から端までくまなく調べて、
それからいないって言えばいいじゃない」
「だが断る!」