0280
2006-03-27
低きに流れる
船に乗る男、仏の道にいる男、神の家にいる男に、
ふと興味を持った者が訊ねた。
「女人禁制とは言っても、
時には恋しくなるときがあるのではありませんか?」
彼らは答えた。
「まさか。禁忌を犯すことはありませんし、考えもしません」
感心する者を前に、彼らは思った。
『お互いのつぼを心得ている男同士に
勝るものがあるわけないだろう』