0375
2006-04-23
二分の一の悪夢
「あ〜、家かえりたくねえな」
 バスに乗っていたら、後ろの高校生らしき二人の片方が
口を開いた。
「なんだよ、なんかあったのか?」
 もう片方が訊ねると、
「昨日、かあさんが部屋の掃除したらしくてさ」
 大きくため息をついて。
「……帰ったら机の上に、本がそろえて置いてあったんだよ」