機械の操作案内のおしごと。
そんなコールセンターに派遣され、
製品の仕様もいちおう教わった。
でも、そんなんじゃ足りない。やっぱり中身を見てみなきゃ。
初めて見る、知らない機械。目の前にあるのに
何もできないなんて。
やきもきしながらすこししたころ、
「そこに置いてあるのは研鑽なら好きに使っていいからね」
偉い人から言われた。
……その言葉を待ってました!
さっそくなんとか時間をこじ開けて、そそくさと分解。
すると、めずらしいのか通り過ぎる人が言葉をかけてゆく。
『すごいね』
『勉強熱心だな』
『そこまでやっちゃうんだ、えらーい』
……そうなのかな?
違和感があったけれど、でもいちいち訂正するものでも
ないのであいまいな笑みで返事をした。
そのうち、
「あ、ばらしてるんだ」
顔を上げると、修理担当っぽい服の人。
にこにこと人懐っこい笑みを浮かべて、その人は言った。
「楽しいよねえ、分解」