0486
2006-06-01
ご都合主義
「なあ、将来楽して甘い汁すするいい方法はないかな」
 年寄り政治家が将来の安泰のために若手に訊ね、
若い政治家は考えをめぐらせ、そして言った。
「それなら、こんなのはどうでしょうか? 
現在のつけもの石は個人が勝手に使うものですが、
これだと安全性に問題があるとか言って、
使用するには一定の水準を越えないといけないと言うのです。
これであたらしい流通もうまれますし、
検査と認可には少なくない料金をかかるようにしておけば
それを一手に引き受ける会社を作ることで
黙っていても金が入るようになりますよ」
 老いた政治家は手を打ち、
「それはいい! だが大々的に告知しては反発も出るだろうし、
同じことを考える人間が大量に出るだろう。
ひそかに公知しておくことにしよう」

 その後、思惑通りに行くように見えたが、
いざ実施の段になると告知不足と業者の反発が起こり、
黙認がまかりとおる抜け穴だらけの法ができた。