「へっへっへ、ねえちゃん、金だせや」
暗闇の街、人通りのある通りで
会社帰りの女性の前に男が立ちふさがった。
「た、たすけて……」
小さくつぶやかれた言葉を気にするものは誰もいない。
女性の心が恐怖につぶれかけたそのとき、
「待て!」
強く頼もしい声がした。
女性と暴漢がそちらを向くと、
現れた男は体にまとわりつくマントを翻し、
「お嬢さん、だいじょうぶですか。
わたしが来たからにはもう安心です」
ほこらしげに胸をはり、力強い笑顔を見せた。
その服は全身タイツのようで、
上半身に張り付いた服は隠すことなく腹部の筋肉、
厚い胸板、そしてその上の乳首の形をすこしも損なうことなく
映し出している。
そして下半身では濡れたブリーフをはいたように
ぴったりと肌に吸い付いて太もものつけね、
さらに股間にある男性自身を余すことなく表現していた。
女性は一瞬の間に目に焼き付けられた
その姿を瞬間遅れで理解し、叫んだ。
「ぎゃぁあああ! 変態!」