「ふざけるな!」
我慢の限界に来た飼育係たちがスカウトにつめよった。
「おまえは適当に動物を連れてくるけどな。
ただ連れてくりゃいいってもんじゃないだろう。
エサは何やればいいのかも、育て方もわからない。
しかも檻のカギは壊れて閉まらないと来た。
珍しいのをつれてくるより、おとなしくて
どこにでもいるようなやつの数を増やしてくれよ」
その言葉にスカウトは肩をすくめて、
「なに言ってんだよ。おれが捕まえてくるから客が入るんだろ。
エサに困る? 檻が閉まらない?
知ったことか。それはお前らの問題だ」
飼育係たちはその場に来た園長をすがるように見つめ、
それに気づいた園長は答えた。
「うん、その通り」