とある病院で、医師らを集めて会議が行われた。
内容は、成人男性の病気を診る科についてだった。
「紳士科でいいんじゃないですか?」
一人が言うと、
「それじゃあ、婦人科は淑女科にしなきゃいかんだろう」
「では、男性科では?」
「それだと、男性自身しか診ないと
誤解する人が出るかもしれないし、それになにより
女性科も必要になってしまう」
一同は頭をひねる。
「婦人の反対……。新婦、新郎で、郎人科では?」
「それも微妙だな。しかも造語ときたもんだ」
「なら、小児科・婦人科でない科で」
「それもちょっと……。長すぎの感もあるな」
「うーん」
しばらくの間重い空気が漂っていたが、まとめ役が口を開いた。
「しょうがない、今回も保留ということで終わりにしよう」