月曜の朝。苦情窓口や操作案内窓口、
修理受付窓口のうちの部署の面々を集めて、
「今日は嬉しいお知らせです。
先週、感謝の手紙や電話が今までで最高を記録しました」
お偉いさんがにこにこと前に立って口を開く。
「ねえ、あれだれ?」
横からそっと訊ねられ、わたしは答えた。
「感謝とかお気楽担当窓口だよ、たぶん」
続くお偉いさんの言葉。
「特にこの前かけられた方は、
『操作案内の皆さんの対応は、いつもわかりやすく
気持ちよいので助かります。
どうぞ皆さんによろしくお伝えください』と
おっしゃっていました。この調子でみなさん、おねがいします」
「ねえ」
隣から、また声。
「なんでその人自分で調べないの?
『いつも』かけてこられたら回線一本埋まっちゃうし、
そんな人ばっか増えたらすごい迷惑だよね」
「しっ」
わたしは言った。
「自分で苦労してない人はあんなもんよ」