0596
2006-06-27
かぶれ
 とあるコールセンターに派遣され、そこで業務の説明を受けた。
 部署の構成図を見てみると、
 『おりんが』−『ももーる』−『ドゥルッピッピレ』−
『ヌルモレーちょん』−『課長』
 となっており、ガルバイイからの
ンズラナで問題が発生した場合はまず
ソルズがぶーでぇるの長、すなわちサマルリーに
へけもすっぺしてそこから
サマルリーがおぼぉおほっおほぉっに
なちゃぽろナイするので、おりんがで解決しようとしないように、
との注意書きがなされている。

「えと、あの〜」
 小さく手を上げ、説明の人が振り向く。
「この、おりんがとかももーるとかは
なんとなくわかるんですけど、
ソルズとかちゃぽろナイとかはなんですか?」
 するとその人は軽く笑って、
「ああ、ソルズとかぶーでぇるとか、
あとサマルリーとおぼぉおほっおほぉっ、ってのは、
その横のおりんが、とかの頭文字だけとった略称。
へけもすっぺはおりんが……まあ、
個人から班長へ相談することで、
班長から大班長へ相談するのがなちゃぽろナイ」
「あの〜」
 また手を上げるわたし。
「これ、略称になってない略称とか、
普通の言葉で言える単語をどこかの国の言葉で
わざわざ言わないといけないんですか?」
「ぼくもそう思うけどね。ここができたときに
上が決めたらしいから」
 苦笑いにため息をこぼして、その人は言った。
「きっと、かっこいいって思ってるんだろうなあ」