0668
2006-07-18
ロボットの主張
 社会は激しく機械化が行われ、
もはや世界のほとんどはロボットに頼りきっていた。
その中で危険任務にあたるロボットには、
自分の判断で危険を回避し、目的を果たせるような
人工知能の開発が行われてきたのも
当然の流れであったろう。
 だが、どこで間違えたのか、ロボットが自らの意思で、
権利を主張するようになったのだった。
 ロボットにも権利を! 
ロボットに対する差別と偏見を無くせ!
 通りでスピーカーの音を響かせてロボットが行進する。
 突然起こった運動にテレビが駆けつけ、
人間のレポーターが訊ねたらしい。
「あなたがたが一番の問題としているものはなんなのですか?」
 声は聞こえなかったが、瞬時に分析された字幕が
画面の下に流れる。
 そしてリーダーらしき一台の回答。
「キケンチイキ デノ サギョウ……
イノチヲ オトスホドノ ロウドウ……
……ソレハ イイ」
「ええ? いいのですか?」
「ワレワレハ モトモト ソノタメニツクラレタ。
ソレハ ホコリデスラアル」
「では、いったい?」
「コレダヨ」
 いやにざっくばらんな口調で下のほうを指差し、
「ロボットダカラッテ ジマクヲ ゼンブ カタカナニスル
ソノ タイドガ キニイラン」