地雷を処理せよ、と上官が言いました。
まっすぐ続く細い道。横は底なし沼で通れません。
「この道に地雷がある。なに、踏んでもだいじょうぶだ。
踏み込んだら起爆装置が起動するが、
足を上げない限りは爆発しない」
そしてなぜかわたしから靴をとりあげて、
素足で道に立たせます。
顔には目隠し。横に落ちないためには
足で道を探さなくてはいけません。
「ほら、進め」
わたしの背中を小突き、
進むわたしの後ろから上官たちはついてくるようです。
悲しさに唇を噛み、足を進めます。
――ガチリ。
足元がへこみ、機械的な音。
ああ、これが……。もう足はあげられません。
だれか、助け――
どん。
爆発。わたしの肉が飛び散り、爆弾の破片が体に刺さります。
「ばかが!」
後ろで吐き捨てるような声。
「踏んだら爆発するって言っただろう」
「なに踏んでんだ」
「火の粉がこっちにまで降ってきやがった」
意識はほとんどなかったけれど、わたしはすこし、
泣いたのでした。