最近よく見る夢。
眠さにくたくたになりながら荒野を歩いていると、
地面にぽつんとモノがある。
まずはバケツ。穴の開いた下のほうからは
ちょろちょろと水が漏れ続け、水面近くには洋式トイレの
タンクに使うような浮き玉がある。
これが水量によって上に行くと、地面から突き出て
水を出し続ける水道管の途中の弁を閉め、
水が止まる仕組みらしい。
「なんだこりゃ、もったいない」
手を突っ込んで穴をふさぐと、水がたまりだした。
八割がた水が入ると浮き玉が浮かび、水が弱まる。
そしておれは……気を失った。
また別の日。
おれはまた眠さにくたくたになりながら、
荒野の水道の前にいた。
水の落ちているバケツを動かそうとしたものの、
固定されて動かない。
気付けば横に別の水が入ったバケツがあったので
水を足してみたところ――いつしか、眠りについていた。
別の日。
あの水道の前。
今日は蛇口をひねってみた。
魅力的な水が勢い良く噴き出し、
おれは心地よい眠気に身を任せた。
さらに別の日。
例の場所に立ったおれは、バケツの穴をふさいで水を入れ、
蛇口をさらに開いた。
バケツはなみなみと水をたたえ――こぼれ。
そしておれがその夢から覚めることは、二度と、なかった。