0829
2006-09-04
襲う死期
「――!」
 恐怖に目を開けると、体に嫌な汗をかいていた。
 お葬式からニ週間程度が過ぎ、亡くなった祖父が
初めて出てきた夢はただ怖かったことを覚えている。
 お葬式は、理不尽に人を襲う死期のやり切れなさを思い、
故人への別れとなくなったことの実感、
そして自分が死んだときにはこうして送ってくれるのだという
納得のための儀式の気がする。
 でも、わたしがそれを身に沁みるには、
まだまだ若すぎるのかも、しれない。