ともだちが、結婚できる年齢になったとたん、
それを待っていたかのように結婚することになった。
　結婚式の会場へ親友と向かっていると、
「それにしても、すごいよね」
　彼女は言い、わたしは応える。
「うん。なんでこの年で結婚しなきゃいけないんだか」
「まだまだいろんなことも学べるし、いろんな人とも出会うのに。
親元にいられる時間だって、そうないのにね。
それをわざわざかなぐり捨てて、結婚しなきゃいけない理由って
なんなんだろ」
「……縛りたい彼と、縛られたい彼女」
　ため息混じりにわたしは言った。
「二人の小指に結ばれてるのは、
赤い糸じゃなくて荷作り紐かもね」