0999
2006-10-23
ぜんそくQOL
 実習で幼稚園に行くと、命の喜びと生命の輝きに
きらきらと生きているこどもたちがわたしにまとわりついてくる。
 小憎らしいときもあるけれど、自分はなんでもできるという
こども独特の変な自信はまぶしいくらい。

 そこでわたしは訊いてみた。
「ねえ、大人になったらなにがしたい?」
 『レスキューになって人を助ける!』
 『家をいっぱい建てる!』
 『お医者さん!』
 『ケーキ屋さん!』
 口々に語られる夢。いくつかでも現実になればいいな。

 ……と。はしっこでぼんやりと地面を見ている子に気付いて、
「ね、あなたはなにがしたい?」
 訊ねると、その子は。
「もし、生きてたら」
 儚げな笑みをわたしに向けて言った。
「ちゃんと、息がしたい」