実習で幼稚園に行くと、命の喜びと生命の輝きに
きらきらと生きているこどもたちがわたしにまとわりついてくる。
小憎らしいときもあるけれど、自分はなんでもできるという
こども独特の変な自信はまぶしいくらい。
そこでわたしは訊いてみた。
「ねえ、大人になったらなにがしたい?」
『レスキューになって人を助ける!』
『家をいっぱい建てる!』
『お医者さん!』
『ケーキ屋さん!』
口々に語られる夢。いくつかでも現実になればいいな。
……と。はしっこでぼんやりと地面を見ている子に気付いて、
「ね、あなたはなにがしたい?」
訊ねると、その子は。
「もし、生きてたら」
儚げな笑みをわたしに向けて言った。
「ちゃんと、息がしたい」