1016
2006-10-31
「世界で最も偉大な発明は」
 扉の向こうでおとうさんが言った。
「新聞だとおれは思うんだよ」
「どして?」
 わたしが訊くと、
「だって新聞がなかったら、
トイレで何をしてればいいのかわからないじゃないか」
「もー! さっさと用だけ済まして出てきてよ!」
 いらだちに激しいビートを扉に刻んだ。