男は、暗殺者だった。
できるならば城の中心部にまでもぐりこみ、
王を傷つけて国を混乱に陥れるのが今回の命令だ。
「さて、どう忍び込むか……」
男がつぶやいて調べ始めたとき、
「ばかめ!」
壁の上から声がきこえた。
「この城のセキュリティは万全。
余計なものなど中に入れさせはしないし、
たとえ入ったとしても堅固なシステムがすべてを防ぐだろう。
それが世界の中心。そしてこの国の誇りだ!」
「う、うそだろ……?」
自分が漏らす言葉にも気付かず、男は愕然とした。
「なんで王様が目の前にいるんだよ」
愕然としながら――手にした爆弾を投げ込んだ。