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2012-04-20
陰謀のセオリー
CONSPIRACY THEORY
1997年 アメリカ
主役はかつて洗脳され、一般人の暗殺者として
すりこまれたものの、逃げ出した男です。

準主役は父親を殺された女性で、
裁判所所属の捜査官のような仕事をしています。

ある日、いつものように主役はアポイントも取らず
無計画に準主役に会いに行き、
世界の陰謀論を告げます。
準主役はかつて暴漢に襲われそうになったところを
主役に助けられたので話を聞きますが、信じません。

主役は悪者組織に襲われます。
陰謀論を誰に話したかと訊かれます。
殺されかけましたが、悪者のボスに傷を負わせて逃げます。

主役は準主役に会いに行きます。
襲われたことを話したあとで、捕まります。

準主役が主役を訪ねに行くと、そこに悪者のボスがいて、
主役が言ったとおりの怪我をしているので
半信半疑ながら主役を多少信じます。

主役が、殺されるからカルテを別人と入れ替えてくれと言うので
一応変えると、翌日変えた相手が死にます。
主役は脱出しようとし、準主役は見ないふりをします。

主役は逃げて準主役の車に潜み、
主役と一緒に主役の家に行きます。
主役の家には準主役の盗撮写真などがありました。

そこへ悪者集団が攻めてきます。
主役は家を燃やして、消防士の格好をして
準主役と逃げます。
その後準主役は主役の異常性を感じて別れます。

準主役は自分でも捜査するうちにとある人物にたどり着きます。
その相手を実際に訪ねてみたら、悪者のボスでした。
悪者のボスは、自分が洗脳暗殺組織を束ねていたこと、
暗殺洗脳の研究をしていたものの研究が盗まれたこと、
主役は暗殺者で、準主役の父親を殺したこと、
盗んだ相手をつきとめる手がかりとして主役を捕まえたいこと
などを言います。準主役はそれを信じます。

主役が接触を図ってきたので準主役は発信機を持って行きます。
主役が車を乗り換えたので発信機を失いますが
携帯電話で逆探知を誘います。

主役は準主役の父親の家に行きます。
そこで記憶を取り戻し、主役が準主役の父親を殺していないこと、
裁判官かなにかだった準主役の父親に、
陰謀の話をして公表しようとしていたところで
準主役の父親が殺されたこと、
その父親との約束で、娘である準主役を見守っていたこと、
暴漢から助けたのは偶然ではなく、見守っていた結果であること
などを言います。

そこへ悪者のボス集団が襲ってきます。
主役は捕まり、やってきていた準主役の上司が殺されます。
準主役はどうにか逃げて、主役は捕まります。

準主役は病院に行き、主役のことを探します。
主役が歌う声が聞こえ、主役の元へ向かいます。

見つけて部屋に入ると悪者のボスもやってきます。
主役は悪者のボスと戦います。
記憶を取り戻します。
悪者のボスを殺す前に主役が撃たれて殺されます。
悪者のボスを準主役が撃ち殺します。

一応事件が解決すると、主役は生きていました。
ほとぼりが冷めるまで死んだことにしておくようです。
準主役もうすうす感づきました。


……というようなお話です。

主役が世界に陰謀を唱えて、相手の気持ちも考えず
いきなりやってきては話し始めるという、
統合失調症妄想型のような行動をとります。
けれど、準主役は裁判所関係の重要な職にあるらしいのに、
それらを証拠なしに信じていくのが
どうにもばかばかしいです。

しかもいったん主役のことを信じたと思いきや、
悪者のボスに、自分の父親を殺したのは主役だと言われれば
それを信じて手先になる始末です。
なぜ証拠の提出を求めないのか、なぜ証拠を集めないのか、
それでも裁判所の人間なのかと常識を疑います。
基本的に準主役はばかなのが見ていて疲れます。

また、ばかなのは準主役だけでなく、
悪者のボスもです。

下っ端にやらせればいいだけの現場に、
いちいち本人が出てきます。そして顔も見られます。
くだらない現場にいちいち出てくるとは、
偉いのか偉くないのかまったくわかりません。
わかるのは、頭は悪くて考えなしだということです。
最初は主役を殺そうとしていたはずなのに、
目撃者もいないところで捕まえて、
生かして監禁しておくという、
終盤の行動もわけがわかりません。
その前に、準主役の上司は撃ち殺しているので
それと同じく撃ち殺せばいいと思うのですが。

そういった具合に、主役・準主役・悪者のボスという
メインどころの三人がまともな精神構造をしていないので、
全体的にばかばかしい感じがつきまといました。
けれど、全体的に勢いのようなものがあったので
最後まで退屈せずに見られました。

通して考えると、おもしろく見られる方向ではありました。