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2012-05-18
カオス
CHAOS
2005年 カナダ・イギリス・アメリカ
主役は若い男性刑事です。
準主役は中年男性刑事です。

過去のとある人質事件の際、準主役の仲間が人質を撃ち殺し、
準主役が犯人を撃ち殺します。
そのため準主役は謹慎処分を受けます。

その後銀行立てこもり事件が発生して、犯人は交渉相手に
準主役を要求します。
上司は準主役の謹慎をとき、お目付け役として
主役をコンビにあてがいます。

犯人がらみで手に入れた金に、警察が証拠品につけたにおいが
残っていたことから、金は警察の保管庫から盗んだものだと
わかります。犯人は内部犯のようです。

追って捕まえた犯人関係の一人は警官でした。
けれど仲間のことは言いません。

監視カメラなどをいろいろ調べていくうちに
犯人たちの目的が、銀行の貸し金庫などではなく、
銀行端末をいじって銀行の金を小口で何度も送金し、
最終的には莫大な金額を犯人の口座に移すことだったと知ります。

追っていくと、主役が影の親玉でした。
犯人連中を射殺して謹慎処分を受けるところから
たくらみが始まっていたようです。

主役は捕まえると言いますが、
つかまえきれずに映画は終わるのでした。


……というようなお話です。

てっきり準主役の中年が主役で、主役の若い男が準主役で、
新米の若い刑事が張り切って空回りするか
最後に死ぬ映画だと思って見始めましたが、
違いました。
逆に、若い主役がだんだんと活躍していきました。

こういう、警察の内部に裏切り者がいる話では
主役の直属の上司が悪者であることが多いです。

主役が中年男性であったら、そのまま直属の上司に
なったのでしょうが、主役が若い男性に降りたために、
直属の上司は相棒の中年男性になりました。
そのため、犯人がその直属の上司、
すなわち準主役になったのは、見終わってみれば
当然といえば当然でした。

けれど見ているときは、最初誰が主役かよくわからず、
だんだん若い刑事が主役だとわかっていきます。
そのずらし方と結末はよかったです。

でも、その準主役がすべての黒幕だとすると、
冒頭で呼びにこられて驚くようなところと、
謹慎中に来させられたと言うところは
いらなかったと思います。
そこのシーンがあるために、主役がその中年刑事だと
勘違いするミスリードが起こりました。
個人的には若い刑事が主役なら、最初からそのように
描いて欲しかったです。

取り立てて目に付く箇所はありませんでしたが、
全体としては意外とおもしろく、最後まで見られました。