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2013-09-27
バトル オブ ロサンゼルス
BATTLE OF LOS ANGELES
2011年 アメリカ
ある日、ロサンゼルス上空に大きな宇宙船がやってきます。
人間たちは攻撃をしかけます。
けれど科学兵器は敵の妨害により使えなくなります。
人間は苦戦します。

そんな時、60年くらい前の軍人が現れます。
UFOにさらわれていたようです。
軍は過去の軍人を本部に連れて来いと命じます。

本部に行く間にも宇宙人の殺人マシーンと戦ったり
その他UFOと戦ったりしながらも
どうにか本部にたどり着きます。

本部で責任者と会った過去の軍人は、
宇宙人からのメッセージがあると言います。
捕まえている宇宙人を解放しろと言います。

本部は過去の軍人が宇宙人の言葉をわかるというので、
とりあえず宇宙人に合わせます。
過去の軍人は超音波を発し、宇宙人の檻を破壊します。
人間にもダメージを与えます。
宇宙人を逃がそうとします。

過去の軍人が裏切り者だとわかったので殺そうとします。
過去の軍人はロボットでした。
切った首から何かの装置が出てきます。
みんなで追います。

仲間同士打ち合ったり、なにもできなかったり
何かの装置に殺されたりします。
装置には逃げられます。

敵が襲ってくるので、本部に会った宇宙船で逃げます。
操縦がうまく行かずに、敵の母船に乗り込みます。
中で芋虫風の化け物が出てきます。
人間もたくさん捕まっています。

仲間の犠牲もありながら、爆弾で虫をふっとばします。
母船も落ちます。下にあった街はつぶれて壊れます。
仲間たちは盗んだ宇宙船でバリアーをはり、助かります。

一応決着がつきました。


……というようなお話です。

とにかくすべてが『お安い』の一言に尽きます。
こども向けの戦隊番組みたいです。
ただ、微妙にギャグっぽくありながらギャグには落ち着かず、
こども向けにはならない感じにグロテスクな場面もあります。
どっちつかずでなにがやりたかったのかわからない映画です。

まず、宇宙船がやってきて、やってきた直後に
人間が使うミサイルなどの科学兵器の、
科学部分を完全にのっとってしまうところ。
人間の科学の研究をしていたのでしょうか?

それから、宇宙人対策本部のような場所付きの女性。
宇宙人や宇宙船などを倒すのに、日本刀を使います。
しかも持ち方がバット持ちです。
振り方もバットのそれで、ぶん回して刃をあてていくという
無茶振りをします。

その女性が無敵かと思いきや、
そのシーンとその後に一回使うだけで、
女性についていた無敵状態が解除されて、
その後は日本刀も使いませんし、
女性自体がダメージを受けて微妙な感じになります。

過去からやってきた軍人は60年くらいの時を越えたようで、
宇宙人は時間を飛ばすなにかの装置を持っていて、
そこが話の鍵になるのかと思ったら、
まったくそんなことはありませんでした。

実はつかまえたのが60年前で、
元の軍人の見た目と多少の記憶をコピーして、
中身はロボットに変換していただけでした。
つまり60年という時間の跳躍は別に意味がありません。

その男は敵の工作員で、つかまっていた宇宙人を
連れ出そうとします。
人間にも襲い掛かってきたので倒しますが、
中からは強力浮遊兵器が出てきます。

人間はそれを倒そうとしますが倒しきれず逃げたので、
先回りしておきます。
そこに浮遊兵器が来たので、みんなで銃を持って
それを輪になって取り囲みます。
……ここも、ばかっぽいです。

円になって取り囲んだら、向かいの銃の射線上に
敵と味方が入ることになります。
そんな状態で発砲したら、味方の銃撃で味方も撃たれます。
そんなこと、軍人がやっていいようなミスではありません。
実際、仲間の発砲で仲間が撃たれます。

さらに、取り囲んでおきながら、
軍人の一人が「まだ撃つなよ!」などと言います。
なぜ出てきたときに撃たないのか、
なぜ待つのかの理由がまったくわかりません。
そうして待った挙句、動き出した浮遊兵器に体を貫通されて、
軍人の一人が殺されます。

その後は本部にあった宇宙船を、目と精神力で動かすなどの、
無駄な機械との格闘シーンが入ります。
なかなか飛ばないし、思うように動きません。
これは冒頭であった、臆病者が戦闘機を発進させられなくて
無駄にいらいらさせられるシーンとかぶります。
監督か脚本家か知りませんが、
飛ばそうと思うのに飛ばせられないシーンに
何か思い入れがあるのかもしれません。
もしかすると、泣かず飛ばずの自分と
かけているのかもしれないと勘ぐりたくなりました。

人間たちの乗ったUFOがうまく母船に到着すると、
そこにいたのは宇宙人ではなく、芋虫的な宇宙生物です。
小さなたくさんの足と、なにかを食べる大きな口。
知性のかけらもなさそうな姿です。

あれが宇宙船などを作ったのかと考えると、
とても微妙な気分になります。
過去の軍人が助けようとした宇宙人は、
宇宙人らしい手だけはちらっと見えていたので、
宇宙人自体は別にいるのかもしれません。
でも、出てきません。

そんな芋虫を、爆弾で壊したら母船も壊れて墜落します。
芋虫がいる部屋を壊すと浮力がなくなって落ちる構造なんて、
その構造に疑問を持ちます。
やはり芋虫はなにか重要なものだったのでしょうか?
それとも偶然、燃料タンクや操作端末が近くにあって
それも一緒に壊したというのでしょうか。

と、全体的に話がめちゃくちゃで、
なにを見て、なにを楽しめばいいのか
まったくわかりませんでした。
見ていて退屈はしませんが、お安すぎてうんざりする感じです。

全体としては、どちらかと言えば
おもしろく見られない方向の映画でした。