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2013-10-20
NEXT ネクスト
NEXT
2007年 アメリカ
時代は現代のアメリカで、主役は2分先までの
自分が関わる未来を予知し、シミュレーションできる男です。

主役は未来予知を使いながら、マジシャンとして
出演料を稼いだり、カジノで小金を稼いだりしていました。

ある日、カジノに悪者が来て人殺しをするのがわかったので
悪者が行動を起こす前に捕まえます。
多くの人が、主役がいきなり襲いかかったと認識して
主役は犯罪者扱いされますが、
盗まれた核爆弾を探している政府組織のリーダーだけは
悪者が殺人犯だとわかり、主役はそれを予知して
防いだのだと理解します。

この、盗まれた核爆弾を探している政府組織のリーダーが
準主役です。
準主役は、主役に、盗まれた核爆弾を探すのに協力しろと
求めますが主役は断ります。

そんな中、2分先のことしか見えない主役が、
ずっと先の未来に見ていた女性と会います。
この女性がヒロインです。

ヒロインと会って接触すると、主役の未来予知の能力が
拡張されました。

主役はヒロインに未来予知の能力を使って近づき、
すぐにいい仲になります。

準主役はヒロインに近づき、主役を捕まえて薬を使ってでも
自分の駒として使おうと画策します。
けれど主役はそれに気づき、逃げます。

残ったヒロインが一人でいるところを、
核爆弾を盗んだ悪者グループが捕まえます。
悪者グループは準主役をストーキングしていて
主役の情報もつかんでいました。
主役に邪魔をされては困るので、どうにかして主役を
殺したいと思っていました。

主役は、ヒロインが爆弾をまかれて殺される未来を見たので
準主役に協力します。
主役は能力を使い、助けられる未来を必死に探し、
どうにか捕らえられていたヒロインを助けますが、
その未来では核爆弾が爆発して、付近にいた人間は
みんな死にました。

そんな未来を未来予知で見ていたとわかった主役は、
爆弾も止めてヒロインも助ける未来に向け、
行動を開始するのでした。


……というようなお話です。

冴えない未来予知者が活躍する、サスペンスものに
なるような映画です。

話は夢落ちっぽい感じで終わりますが、
主役が見た未来の一部だと思うと、
単純な夢落ちとはすこし違います。

また、よくある未来予知の話だと、
すこし未来に起こる大きなできごとの映像が
主役の頭に飛び込んできて、
主役はそれをどうにかしようと動き出すものですが、
この映画の主役は、2分先までの未来なら、
その中間点も好きに見られ、自分が能動的に
関わっていく未来も見られます。
どちらかといえば、主役の能力は、
『記憶を保持したまま、2分前までの自分に自由に戻れる能力』
です。

でも、その2分というのが効果的に使われるシーンは
ほとんどなく、最初に2分を設定する意味が
まったくわかりませんでした。

そんなあやしい主役に、盗まれた核爆弾を探す
まともなチームのリーダーが接触してくるのもよくわかりません。

たとえばテレビを見ていて、2分後に
『どこそこで核爆弾が炸裂!』なんてニュースが流れるのを
見たとします。
でも、それを見た主役が場所を言ったからといって、
2分でその場所にたどり着き、爆弾を解除するのは無理でしょう。

そんなあたりまえの突込みを回避するように、
ヒロインが物語りに投入されます。
主役は『なぜか』ヒロインと接触すると、
ヒロインがらみの未来を2分以上先まで見ることが
できるようになります。

このヒロインの存在もご都合主義ですし、
ヒロインに能力があるならともかく、
まったく能力などないため、意味がわかりません。

主役は2分未来予知なら核爆弾の捜索には
まったくの役立たずですが、ヒロインと関わることで
ずっと先の未来を見ることができるようになったため、
核爆弾を探すことができるようになります。

そこでようやく主役が役に立つはずなのに、
2分予知しかできない主役を囲おうとした準主役の
考えが意味わかりません。

基本的にこの映画は、そういう設定はすかすかです。
純粋なSFを期待して見ると、すごくつまらないと思います。

ただ、主役が自分に起こる不幸を回避していくアクションは
なかなかおもしろかったです。
たとえば、車で逃げながら事故をよけたり、
おそいかかってくる兵士をよけて反撃したりという場面です。

それが一番盛り上がるのは、悪者の親玉と、
親玉に捕まるヒロインを追い詰めたところ。
親玉はついでに主役も片付けようと銃を撃ってきますが、
主役はそれをかわして悪者の親玉に詰め寄ります。
でも、華麗にかわしきったわけではなく、
別の未来には弾丸にあたって死んだ自分がいます。
その未来を見て、変更しながらたどり着いたわけです。

なんらかの装置を使わず、自分だけで未来を見ているからこそ
できた演出で、そこはすごくよかったです。
未来を見ることができても、非力ならどうしようもないのが
常のように思っていましたが、非力でもがんばれるさまが
具体的に演出されていたのがおもしろかったです。

エンディングは半分夢落ちのように、映画の半分くらいに
起こったことをすべて過去に戻してやり直すことになりましたが、
それまでの映画内でも主役が殺されて
過去のシーンからやりなおすのはぼちぼち出てきていて、
そのシーンが事実なのかシミュレーション中の未来なのかが
はっきりとしない作りになっていたので、
特に気にはなりませんでした。

映画の矛盾や設定などを考え出すと納得できませんが、
その場その場のアクションなどを見ていく分には、
意外とおもしろく見られる映画でした。