0053
2006-01-06
唯我独尊
 梅雨も半ばの昼休み。
昼飯を食っていると、同僚が憤りながら正面に座った。

「おっ、どうした?」
 訊ねると、
「最近の若い奴は社会人の常識もないんだな」
 不愉快そうに吐き捨てた。
「なんだ、だれだよ。新入りか?」
 うなづく同僚。

「ちゃんと教えてやったのか?」
「いいや、あきれてものも言えなかったよ」
 ほとほとうんざりしたように息を吐くそいつに。
「……おまえ、生まれてすぐ二本の足で歩いたのか?」