0072
2006-01-25
おまけ
ある朝。普段どおりに車に乗ろうとして
……わが目を疑った。
つややかにわたしを映すはずの
ガラスは醜くひび割れ、無残な姿をさらしていた。
車内はきっちり片付けていたはずだが、
唯一の金目のものに気づいたのだろう、
二万円のカーオーディオが盗まれていた。
二万円なら……。
そうして自分を慰めるわたしに、修理の見積もり。
ガラス代……六万円。
そこでわたしは夜の間、車にメモを貼り付けておくことにした。
『車上荒らしするくらいなら電話ください。差し上げます』