0152
2006-02-16
なじみ風の店
 今日はサークルの打ち上げ会。
「ここ、いい店なんだよ」
 居酒屋風のお店の前でみんなに振り返ると、
幹事の男子が嬉しそうに言った。
 お店の名前は……『なじみ風』?

「こんばんは〜」
 戸をくぐりながら言うと、
「お久しぶりー!」
「お久しぶりー!」
 たくさんの声が彼に投げかけられる。
 すごい、常連さん?

 わたしたちを席に座らせ、自分は注文。
「じゃあ、とりあえずビールを人数分と、
なんかごはんものを三つ。
あと……いつものアレとか、かあらげっぽいのとかも。
その後は追加で注文しますので、お願いします」
 へえ、ずいぶん慣れてるんだ。
 思いながら、ふと目にしたメニュー。
『とりあえずビール』・『いつものアレ』・
『なにかごはんもの』……。
「いいだろ、ここ」
 彼が声をかけてくる。
「メニューからして、すごくなじみ風だよな」