今日はサークルの打ち上げ会。
「ここ、いい店なんだよ」
居酒屋風のお店の前でみんなに振り返ると、
幹事の男子が嬉しそうに言った。
お店の名前は……『なじみ風』?
「こんばんは〜」
戸をくぐりながら言うと、
「お久しぶりー!」
「お久しぶりー!」
たくさんの声が彼に投げかけられる。
すごい、常連さん?
わたしたちを席に座らせ、自分は注文。
「じゃあ、とりあえずビールを人数分と、
なんかごはんものを三つ。
あと……いつものアレとか、かあらげっぽいのとかも。
その後は追加で注文しますので、お願いします」
へえ、ずいぶん慣れてるんだ。
思いながら、ふと目にしたメニュー。
『とりあえずビール』・『いつものアレ』・
『なにかごはんもの』……。
「いいだろ、ここ」
彼が声をかけてくる。
「メニューからして、すごくなじみ風だよな」