0183
2006-02-24
密かな自慢
取引先とのパーティーに呼ばれ、喜び勇んででかけた。
相手のお偉いさんに見止められれば、
取引の機会、ひいてはボーナスの入る機会が
増えるようになるはずだ。
そしてパーティー中、
なんとか副社長の近くに寄り、名刺を渡す事はできた。
「なあ、きみ」
おれの名刺を見つめていた副社長が顔をあげる。
わざわざ声をかけてくるなんて、好印象の予感だ。
しかし続ける言葉は。
「この『再生紙を使用しています』というのは
どういう意味だ? 環境にやさしい人間だとでも
アピールしたいのかね」