0201
2006-03-02
過ぎたるは
「環境にやさしい会社であると宣伝できるようにするため、
わが社もなにかやりましょう」
「ではまず、ゴミの分別からはじめてみるか」
 その会社でそんな話が交わされた。

 それから一か月後……

「まったく、会社じゃゴミも捨てらんねえ」
「サインペンはキャップと外側と中の綿はわけろとか、
分別細かすぎだって」
 会社の隣の公園で、社員が一切分別することなく
ゴミをつめた袋をゴミの小山に投げ捨てた。
 その下には、多分ゴミ箱が埋まっているはずだった。

 一方、会社の会議室では。
「やりました! 会社のゴミが七割は減りました!」
「おお、そうか。ゴミの分別をすることで、
社員も環境について考えるようになったんだな」
 喜ぶ声が響いていた。