「ああ〜。今日は散々だったよ」
と、夜の変な時間に年下の友達から電話がかかってきた。
「なんだ、どうした?」
「昨日、終わり間際に不愉快な喋りの客から、
儲けにもならない無茶な注文受けさせられたんだよ。
でもあんまり腹立つから、
発注は今日の朝でいいやと思ってたら……
すっかり忘れてて後始末でぐちゃぐちゃだよ」
「あ〜あ。失敗したな」
「うん。しかもそれとは別の会社に電話したら、
電話に出たのがいいかげんで腹の立つ喋り方するオバサンでさ。
なんであんなのに電話とらせるのかわかんねえ。
……世の中クソだらけだよ」
「そうだよ。やっとわかってくれたか」
一年年下で今年就職したあいつ。
おれもよく愚痴を言ったもんだが、
自分の身になってようやくおれの苦労、
そして世の中が身に沁みたろう。
「ああ。おまえがスカトロ好きになったのもうなづけるよ」
「……って、おい」