「じゃあ、次に。先週とったこのテープを聴いてみようか」
心理学教師がテープを再生すると、
がやがやと交じり合った人の声が聞こえてくる。
「あんな人ゴミでも、聞くように言っておいた
人の声は聞こえただろう?
でも、こうして録音したものではごっちゃになって聞こえない。
このように、カクテルパーティーみたいに
たくさんの音声が交じり合うところでも、
自分の興味があるもの、意識を向けたものは聞こえる。
こういうのをカクテルパーティー効果と言うんだ」
そこへ生徒の一人が手を上げる。
「先生、ならわたしの声に集中して、
何を言っていたか教えてください」