実習生が作ったテストを見てみた。
『賛同者・反対者のそれぞれの観点にたち、
反肉食主義によるエセ菜食主義について述べよ』
一問きり、百点。
バランスよく食品をとるなど授業でやってはいたけれど、
家庭科のテストには難しい気がする。
それに、テスト問題なのだから
もうすこし穏やかな表現にしてもらいたい。
「これ、中学生には厳しくないですか?」
わたしが言うと、
「そうですか?」
彼女は紙を見てすこし首をひねった。
「もうすこしやさしくしないと、何も書けない子もいそうですよ」
まだこの年じゃ自分の意見も、
それを書くだけの能力もない子がざらにいる。
大人ぶっていても中身は空っぽの難しい年代なのだ。
「じゃあ、これくらいでどうですか?」
テスト問題に何か書きこんでいた彼女が紙を差し出した。
『賛同者・反対者のそれぞれの観点にたち、
反肉食主義によるエセ菜食主義について述べてくださいね』