0295
2006-03-29
ゆったりした首まわり
 テレビを見ていたら、国の最高級のごみ人間が
またなにかの容疑で画面に映っていた。
 報道関係の人間が言葉を求めると、答えて言う。
『記憶にございません。
そのような事実はなかったと認識しております』

「ねえ、これってやってるんでしょ?」
 同じくテレビを見ている父に訊ねると、
「まあ、たいていしばらくすればやってたとわかるだろうな」
「これ……嘘ついたら、ついたことを後悔するほど
罰を重くするとかできないの?」
「できないな」
 めずらしく父が言い切った。
「どうして?」
 すると目を合わせ、言った。
「だれが法律を作ると思う?」