0302
2006-04-03
博愛、そして無抵抗
 ホームステイ先の家で、同い年くらいの男の子が
訊いてきました。
「やあ、君は宗教を持ってるの?」
「え? うーん、どうだろ。いろいろ信じるものはあるけど、
これっていうのはないかな」
 すると冷たい目をして、
「それ、わかんないよ。宗教がないなんて信じられない。
どこの民族だって神くらい信じてるよ。
それがないなんて人間として間違ってる。クズだよ、人類のゴミ」
 それを聞いて、わたしの胸に
あたたかいものがあふれるのがわかりました。
「うん、わたしもそう思う。この国の宗教に言うもんね、
『右の頬を打たれたら、相手の胸を銃で撃ち抜きなさい』。
……わたし、この国の博愛主義って大好き!」