0413
2006-05-08
妥当性
 入学するのが難しい大学の入試試験。
勉強中もうんざりだったが、本番の問題ではますます辟易した。

『〜〜というわけで彼はこの海峡を発見するに至ったが、
その彼を作った父を指導した師の名前を答えよ』

『この浜には内戦が起こる前日、多数のクジラが打ち上げられ、
不穏なことが起こる前兆だと噂されたが、
多数とは実際何頭であったか答えよ』

「……なんだこりゃ」
 思わずためいきをつきながら呆然と試験用紙を眺めた。
 そしてテストが終わると、面接。
三人ほどならんだおっさんの前に座ると、
そのうちの一人が口を開いた。
「さて、あなたは当校に入学して、
なにをしたいとお考えですか?」
 そこでおれは軽く手を上げ、訊ねた。
「その前に、少々よろしいでしょうか」
 許可されて言葉をつなぐ。
「あなたがたはあの試験問題で、どんな人間を
お求めになろうとお考えですか?」