朝。学校に着いたわたしは教室より先にパソコン室に行く。
ここは静かで空調も利くのに、機械が苦手な人が多いのか
ほとんど人がいないのがすてきな場所だ。
と、ある日。めずらしく扉が開く音がしたと思ったら、
一人の年輩の女性が顔を出して訊ねた。
「ここのプリンタって動く?」
その口ぶり。どうやらわたしを知っている人のよう。
「ええ、前のほうでしたらだいじょうぶですよ」
だれかは知らないけれど、あわせるように受け答え。
せっかくなので一緒にプリンタを試したり、
ちょっと会話したり。
そのうちに始業時間が近づいてきたので別れてわたしは教室へ。
そして、授業時間。ドアが開いて入ってくる先生。
顔を上げたわたしの目に映った顔は――……