「あたしこれきらーい」
「わたしもー」
駅の構内でハンバーガーを食べる少女たちが
中からピクルスを引き剥がし、適当に紙に包んで捨てた。
「……はは」
暗いゴミ箱の中、捨てられたピクルスは
ため息まじりの湿った笑いをこぼす。
「ジャンクフードの中の、さらにジャンクか。
クズの中のクズだな、おれたちは」
ひとつがつぶやくと、
「同じジャンクでも電子部品なら宝物になることだって、
中にはまた使ってもらえるものだってあるのにな」
もうひとつが応え、しばらくの沈黙。
だが、胸のうちにあるものに突き動かされるように叫んだ。
「おれたちはまだ終わりじゃない! もう一度でいい、
チャンスを与えて欲しいんだ!」
その言葉はこもった空気に消え、静寂だけが残った。