久しぶりの愛しい休み。
今日こそはクリアしようとコントローラーを握って
テレビをつける。
「……見にくいな」
西日でもないのに、隣のマンションの窓ガラスに反射した光が
テレビ画面に照り付けて見にくいことこの上ない。
そこで雨戸を閉めていると、かあさんが部屋に入ってきた。
「なんで昼間から雨戸閉めるの?
開けてれば電気もいらないのに」
「まぶしいんだよ。こんなんじゃテレビも見えないって」
「休みだってのに昼間っからゲーム?
もっとろくなことしなさいよ」
「はーいはい。ろくでもないことばっかして悪うございましたね。
犯罪に走らないだけましだろってんだ」
構わず閉めていると、あきらめたのか戻って行く。
うるさいのもいなくなったし、準備も整った。
さあ、はじめようとコントローラーを持ち直すと、
「昼間からこんなに暗く締め切ってなにやってんだ!」
かあさんにそそのかされたのか、今度は父さんが入ってきて、
不愉快そうに言った。
「まったく、ストリップ劇場じゃあるまいし」
「――行ったの?」
ぼそっとかあさんの低い声。
おれはヘッドホンを装着してテレビに向かった。