0618
2006-07-03
それのため
ある休日。家にいたら大学の頃の知人が来たといわれ、
玄関に向かった。
そこにいたのは本当に大学の知人で、
言うにはそいつの兄がどこぞの選挙で立候補するので、
その票集めに来たらしい。
「へえ、でもおれは入れるつもりはないよ」
言い残して戻ろうとしたところ、
「なんで? わたしたちは市民のためにがんばろうとしてるのに」
それを聞いてむかっとする胃のあたり。
「一番くさった政治屋の年収は、おれの年収の十倍だってさ」
そして振り返り、訊ねた。
「……で、なんのためにがんばろうとしてるって?」