わたしはカウンタの妖精。
インターネットのページに来てくれた人を数えるのがお仕事。
「今日はいっぱい来たよ」
「今日はちょっとすくなかったよ」
わたしの数字にごしゅじんさまは一喜一憂。
おまけもしてあげたいけれど。それはできない心意気。
――ある日。一緒に仲良くやってきた、
ごしゅじんさまは言いました。
「サイトの基礎の基礎を言うなら、まめな更新なんだって。
来てくれた人がなんとなくでも、
また来てくれるようにするのが大事」
うんうん。そうすればわたしは数を増やせます。
「でも、思ったんだ」
と、続けて。
「あなたの、たとえば1000という数字。それは何を数えてるの?」
――はい?
「だって、1000人が一度見て二度と来ない
がっかりサイトでも……10人が100回ずつ来てくれた
まろやかサイトでも……
出てくる数字はおなじでしょ?」
ずがーんと衝撃。
くわしいことはわからないけれど。
数えた分をうっかりすっかり忘れることもあるけれど。
それでもいろいろ数えています。
わたしはカウンタの妖精。
インターネットのページに来てくれた人を数えるのがお仕事。
だから……あんまり深くは訊かないで
……ね?