0659
2006-07-14
悪魔の口
 登校中のこどもを不審者から守るため
『パトロール中』の腕章をつけて、愛犬の散歩がてらに見回り。
 しらばくしたらこどもたちとも顔見知りになり、
声をかけてくれたり、犬をかわいがってくれたりも
するようになった。
 そしてある日、小さな女の子が犬に向かって走り出すと、
「こら、だめっ!」
 その後ろにいた、高学年くらいの女の子が叫んだ。
「なんで〜」
 残念そうな恨めしそうな目で、後ろを振り向く小さな子。
 すると大きな子は言った。
「本当に悪い人は、その時までいい人の中に
隠れてるものなんだよ」