おじいさんたちの家に着くと、
おじいさんがまるで映画かなにかのように横になっていた。
ご挨拶をして、おかあさんが顔にかけられた布をめくる。
――おじいちゃんだ。
本当に寝ているだけのように目を閉じ、ただ横になっていた。
虫の息かもしれないと思っても、戻した布も動くことはなく、
かけられたおふとんも平らなまま。
「おじいちゃん?」
『ん〜?』
望んだ声も返らない。
息をしないおじいちゃんはいきものをやめ、
いきをしないもの、になったんだ。
そう思っても――息をしなくて苦しくないのか、
すごく不思議な感じがした。