ぼくは、死んだ。
なんで死んだかなんてどうでもよかった。
それよりも気になっていたのは、
『南の小さな島、そびえたつたくさんの巨石像は
なんのために作られたのか』
その答えにたどり着けないことだけだった。
ぽーん。
ぴちょーん。
透き通る音。
ふと気付くと、ぼくは淡い光を放つ
大きな水晶のようなものの前にいた。
「なにが知りたい? ひとつだけ、疑問に答えを与えよう」
男とも女ともわからない、柔らかな響き。
これが神? それとも知恵の結晶なのか?
そんなことも思ったが、胸から湧き上がるものに吹き飛んだ。
「ぼくが生涯をかけて調べてきた、あの小さな島の大きな石像、
あれの本当の意味を教えてください」
ぼくの声に穏やかな光は揺らめき、そして声が返ってきた。
「ああ、あれな。衛星放送の受信装置だ」