「……まったく」
相棒の走らせるパトカーの中、警官がため息をついた。
「また飲酒運転の取り締まりか。
酒飲んだら正常な判断もできなくなって、
事故起こしたら自分どころか他人も死ぬんだぞ?
自分だけはだいじょうぶ、じゃないだろ?
起こしてからじゃ遅いんだよ。
だからおれたちが起こす前に止めてるってのが
わからないもんかねえ。いちいち絡んできやがって。
……ばかばっかりだ!」
ため息をつくと、懐から出した薄い水筒の中身を
一口飲んで相棒へ。
車内に漂う濃い洋酒の香りに言葉を乗せてつぶやいた。
「飲まなきゃやってられないぜ」