無事故継続記録3623日。

　そんな看板のかかる現場で。
その日、落ちてきた鉄板が男の腕を叩き切った。
　男はすぐに救急車で運ばれたが、
その中で現場監督は彼に告げる。
「すまん。労災は出ないが許してくれ」
「なんでだよ！」
　彼が腕の苦痛をないまぜに叫ぶと、監督は答えた。
「無事故の記録をうちの現場で止めるわけにはいかないだろ」
　そして次の日、例の看板を誇らしげに飾る文字。

　無事故継続記録3624日。