1182
2012-02-22
アバター
主役は、足が動かなくなった元海兵隊員です。

主役は、急死した研究者の双子の兄の代わりに
宇宙探査に行くことになります。

調査先の星では、調査した居場所に先住民族がいるので
人工的に作り出した先住民族っぽい姿の
人工生命体の意識に入って人として行動し、
人間とその宇宙人との交流をはかるきっかけを
つかむように言われます。

主役はうまく接触でき、観察対象として部族に受け入れられ、
しばらく暮らすうちに部族の娘と恋をします。
また、部族の考え方に感化されていきます。

主役のチームは自然破壊と虐殺による、
地下鉱物資源の奪取をはじめようとし、
自然を守ろうとする部族と対立します。
主役は先住民族側につきます。

初戦では負けてしまった上、敵にはスパイだったとばれ、
味方には裏切り者とばれます。
つまはじきにあいますが、味方は人間の仲間と協力して、
人工生命体の操縦装置を持ち逃げします。
そして隠れた場所で人工生命体に入り、また宇宙人と接触します。

宇宙人たちは話を聞いてくれないので、
乗りこなしたら伝説になれるという獣を乗りこなし、
星のたくさんの宇宙人部族を説得し、みんなで戦うことにします。

戦いの中、星や動物たちも味方してくれ、
主役たちは人間たちを制圧し、
星から去らせることに成功したのでした。

主役は魂入れ替えの儀式により、
人間の体から人工生命体に魂を入れ替えたのでした。


……というようなお話です。

話自体はよくあるものです。
敵国を切り崩すためにスパイを送り込んだら、
スパイは敵国に感化され、攻め込んでくる自国と戦うことになる、
というのは使い古されてきた筋書きです。

でも、それを超えるのが、映像です。
これは話などどうでもいい、アクションモノです。
地球ではない異世界で、未知の景色の中を
異形の生き物たちが飛んだり跳ねたりするさまを
しっかりと描いているので、映像で引き込まれました。
見た目としてのおもしろさはかなりのものでした。

一方で、嫌に感じたのはシナリオです。
大筋が使い古されている、というのは気になりません。
簡単なアクションものなどでは、
『何かが悪者に盗まれて、それを取り戻して
ついでに悪い組織をつぶす』という話が
手を変え品を変え撮影されてきています。
問題は、そこにどう味付けするかという方法論です。

この映画では、主役がとにかく上の命令に従いません。
主役は海兵隊出身だと言うのですが、
そもそも兵隊とは思えない精神構造をしています。
ここが最初のマイナスです。

序盤では、宇宙人たちとは銃を使って関係を悪くしたと
わかっている上で、銃は使うなとも言っているのに
命令違反をするような主役に銃を持たせます。
ここも意味がわかりません。

それから序盤では、学者の主役への嫌味が鼻につき、
序盤過ぎでは、宇宙人の主役への嫌味にうんざりし、
中盤過ぎからは地球人の悪いボスによる虐殺などの
残虐行為に胸が悪くなります。
とにかく映像以外の部分、セリフや行為などが胸糞悪いです。
見終わった後の余韻は気分が悪いままでした。

個人的には、もっと映像のよさを引き出すような、
後味がさわやかなものだったら楽しめたと思います。

全体として見れば、意外と楽しめる映画でした。